2004年10月20日


『プレゼント』・・・人からもらうと嬉しいし、人に何をあげようか考えてる時も嬉しい。そんな人生を潤す素敵な慣習、プレゼント。しかし、母から贈られるものはとても、酷・・・あわわ、独創的だ。ある意味、芸術的センスが高すぎて、今世紀中には理解されそうにないのが惜しまれる。ゴッホです。
前は、フランス土産に胸に「PARI」(パリ?)と刺繍が施されているトレーナーをいただきました。フランス土産に「パリ」って・・・
刺繍がいやに立派で、「金をかける場所はそこじゃないだろ!」とフランスに突っ込みました。

           そんなゴッホ的な贈り物がまた来た。

                 母さん止まって!


    10月18日
    ノックの音が。開けると配達員が立っていた。
   手には小包。ちょっとした花瓶さいずだろうか。
   なぜか配達員は言葉少なく、サインをもらったら
   そそくさと帰っていってしまった。
   小包から異臭がするからだ。
   「な?何が入っているんだ?誰がこれを!?」
   
        そして伝票には『母』の名が!

 開けた。
 やっぱりニンニクが入ってた。
 そんなにおいがしてた。
 そして、ひとビンいっぱい・・・
 さらに、謎の緑色。
 軽く途方に暮れる。
 
 おや?瓶に何か張ってあるゾ

 

「10/9から10/23から食べる」
食べ始めが大雑把!

食べ終わりも見えません・・・

そしてなにより臭い!臭いのだ!

 

 たまらなく台所の下に!
 それでも、凄いにおい。
 半端なき異臭。

 古人は「臭いものにフタ」と言ったが
 母のニンニクの前にことわざ通じ
 ず!
 

 

ヤバイ意識が遠くなってきた。
(ノンフィクションです)
このままでは、ニンニクに殺される。

少しでも異臭を抑えなければ・・・

 

 換気よく、臭くなっても大丈夫な所に置いと こう・・・でもそんな場所があるのか?

 あっ! あった!

 

トレイだ!!

母さんごめん!!

食べ物を粗末にしたくないけど
自分の命を粗末にしたくないんです。

 

 ・・・トイレでも無理だ。
 どんなに換気よくしても無理なんだー!
 このニンニク瓶はさながら時限爆弾を
 渡されたみたいだ。
 あわわ・・・どっどうする?
 えーい 『外』だ!
 エアコンの上ぇぇ!

 

平和をとりもどした・・・

戦場の跡・・・

部屋に溜まった臭い・・・

どうしようもない焦燥感。

戦争は嫌ですね、失うものばかり・・・

 

窓全開!

においよーー!

大空に飛んでいけーー!

 

 

 


感想 『戦争反対』

 後日、母にメールをした。
  「ニンニクありがとう!たくさんもらったからしばらくはいらないよ!(^^)」
 ニンニクひとつぐらいは食べたかったが、吐き気がしてだめでした。
 嫌いじゃないのに。
 そういえば、母は、昔から体に良いからと言っては何にでもニンニクを入れていた。

 ニンニクのホワイトシチュー・・・
 いつも学校の給食と味が違うと思ってました。

 ニンニク味噌汁・・・
 豆腐、わかめ、ミソの味が消えました。

  優しい気持ちになった。なんでもないことって幸せなことなんだね。
 美味しい空気が吸えるだけでも感謝しなきゃ。

         僕にとって 10月18日は新しい終戦記念日。

 

          まだ庭には休火山のようにニンニクが沈黙を守りながら座ってます。
         
 

おしまい  

 

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